至れり尽くせりが煩わしい

あるハードボイルド作品のシリーズで、結婚した主人公が帰宅した際の印象深い光景。
帰ったら必ず食事が用意されていて、すぐに温められて出てくる。
「それを煩わしいと思う時期は過ぎた」とか、書いてあった。
友達にそれを言ったら「何それ、ひどい!女を邪魔だと思うのが男らしさってわけ?」と怒っていた。
でも私はなんとなくわかる、この主人公の気持ち。
元々自分の身の始末くらい簡単に付けられて、多少の不便など気にもならないような人だったら、あり得ることだよね。
世話を焼かれるというのを、生活の面倒くさい部分を誰かにやってもらうことだと思う人もいる。

だけど、世話を焼かれること自体を面倒くさいと思う人だっているんだよ。
それは相手に管理されているような気持ちになるからかもしれないし、相手への感謝が必要なのが面倒なのかも知れない。
独身時代だったらその時の気分次第で自分で好きなもの食べていたのにって思うからかもしれないし。
主人公は少なくとも煩わしいと思う気持ちを奥さんには隠し通した。
そこまででいいと私は思う。
旅先の宿であまりにも隅々まで面倒見られたら「放っておいてよ」と鬱陶しくなったりするのと同じじゃないのかな。